実家にある仏壇を継ぐ人がいないけど、どうしたらいいかな?
そもそも、捨てても大丈夫か心配…こんな悩みに答えます。
この記事で分かること
- 仏壇の歴史
- 仏壇は処分していいの?
- 仏壇の処分方法と注意点
- おしゃれ・コンパクトな仏壇
親や親戚が亡くなったあとの遺品整理などで、処分するのに悩むのが仏壇。家具・電化製品を捨てるのとは、気分が違いますね。きちんと供養すれば、仏壇は処分しても大丈夫です!ぜひ参考にしてみてください。
【基礎知識】仏壇とは?
ついでなので、普段あまり考えることのない仏壇の豆知識をサクッと解説しました。この機会に、ぜひ読んでみてください。
いやいや『早く処分の方法を知りたいわ!』って方は こちら からどうぞ。
仏壇の歴史
仏壇の歴史はかなり古く、今から1300年ほど前にさかのぼります。
日本の第40代天皇、天武天皇が『諸国の家毎に仏舎を造り、仏像をご安置して礼拝するように』と詔命されたことが、のちに日本中で広がったといわれています。※日本書紀に記載されています
簡単に言うと『先祖を供養する場所を、家の中にも作ろう!』ってことです。
奈良の法隆寺にある『玉虫厨子』(たまむしのずし)が、現代の仏壇の始まりだとされています。※国宝に認定されてます。しかし仏壇は、当初は一般庶民には縁がある物でなく、上流階級の人だけの文化でした。
その後、室町時代になり浄土真宗の信徒を中心に、徐々に仏壇の文化が広がることになります。この時代になると『書院造り』といった形式の住宅が建築され、床の間が作られるようになりました。この『床の間』に仏具を置いたり飾ったりして、先祖を礼拝するようになっていきます。
『書院造り』というのは、旅館の和室をイメージすると分かりやすい!
そして江戸時代に入ってからは、一般庶民の間でも仏壇を設置するようになっていき、現在に至ります。
仏壇の意味
仏壇にはどんな意味があるんだろう?
- 仏壇とは『供養する』ための象徴で、亡くなった方と生きている人を結ぶ『架け橋』の1つ。
漢字からも読み取れますが、本来の意味は『仏』仏像や仏具を『壇』祀る棚、のこと。寺院にある本堂を家庭でも拝めるようにと、ミニチュア版に小さくした、家の中の『小さなお寺』のようなものです。
仏壇の一番上の段には須弥壇(しゅみだん)と呼ばれる場所があり、ここに仏様が安置されます。そして常に『仏様に守られている』といった意味合いで、一番下の段には亡くなった方の魂が込められた『位牌』が安置されます。
まるで仏壇には、亡くなった方がそこに住んでいるかのように感じますね。なので仏壇は、亡くなった方と『対話する場』としてよく使われます。お線香をあげ、写真や位牌に手を合わせることで、亡くなった方と心の中で話し掛けることができますね。
【 お線香をあげる意味 】
お線香の煙は、あの世とこの世をつなぐ『道』になるとも言われています。
仏壇は『家庭のお寺』なんだ!
跡継ぎがいない仏壇は処分していい?
上記でも解説しましたが、仏壇は亡くなった方を供養する場所であり、魂が込められている物です。私情により、処分してもいいのでしょうか?
結論
きちんと供養すれば、仏壇は処分してOK!
昔と比べて現代は
- 未婚
- 核家族化
- 少子化問題
このような傾向にあります。それに伴って仏壇を持たない人や、手放したいと考える人も、近年は増えています。
仏壇を保有しない理由
- 少子化や未婚から、仏壇を継ぐ『人』がいない。
- 核家族化から、マンション・夫婦と子だけの住宅が増え『スペース』がない。
また『先祖を供養する気持ちを大切』と感じる人は多いようですが、実際には『十分に供養ができていない』と感じている人も、昔に比べて増えてきているようです。時代の流れから『仏壇を置かない』と考えるのは自然なことであり、決してあなたが風習に逆らっている訳ではありません。
人がいない・場所がない、といった物理的な原因があるようです!
仏壇以外にも、人形・ぬいぐるみ、写真なども『人の念』などが連想される物は、処分するのに抵抗がある人もいるようです。しかし、きちんと供養すれば気持ちも楽になるかと思います!
仏壇を処分するには魂抜きしないとダメ?
仏壇を処分する際には『閉眼供養』をすることが推奨されてます。しかし、3万円~10万円ほどの費用が別途かかかることになります。
そうなんです!処分料金とは別に、費用が発生することになります。
閉眼供養は推奨はされていますが『義務』ではありません。
つまり、やらなくても処分はできます!魂が宿っているとされる仏壇を、処分する人の気持ちはそれぞれ違います。抵抗がなく思い入れもそこまでない方は、ぶっちゃけしなくてもOKです。
よく処分したら『周りが病気になった』『不吉なことが起こった』など関連付ける人もいますが、供養が原因かどうかは誰にも分かりません。
- あくまで閉眼供養は『強制ではない』という話です。
しかし、処分してからではどうにもならないので、少しでも気になる方には閉眼供養されることをおすすめします!また不用品回収業者に処分を依頼する場合には、閉眼供養をしていないと『引き取りNG』もあるので、事前に注意するようにしてください。
仏壇は跡継ぎのことも考慮しよう
今は家に仏壇がなくても、自分達が亡くなったら『お墓や仏壇はどうしよう…』と考える方もいると思います。あなたが実家の仏壇の処分に困るように、次の世代も同じように悩むかもしれません。
また配偶者・子供がいない場合だと、仏壇を跡継ぎする人が事実上いなくなるので、購入する意味もなくなります。
現代は、マンション・アパート・デザインにこだわる家、も多くあります。『スペースがない』『部屋の雰囲気に合わない』と、仏壇を置きたがらない人も増えてます。
仏壇の購入を検討している方は、次の世代のことも考慮して買う必要があります!
仏壇と聞くと、下記のような物をイメージされる方が多いかと思いますが、
現代は『場所をとらない』『おしゃれでシンプルに』と、部屋においても主張しない、コンパクトな物が好まれる傾向にあります。
仏壇を購入する際に多い検索ワード
- 『 仏壇 モダン 』
- 『 仏壇 かわいい 』
- 『 仏壇 おしゃれ 』
- 『 仏壇 コンパクト 』
現代はこのようなワードで検索している方も増えてきており、新しい形の仏壇も増えてきています。
時代に合わせて、かわいい仏壇も出てきているので、参考にどうぞ。
ぶっちゃけ『写真だけ』でも、供養はできます。気持ちが大切ですね!
跡継ぎがいない仏壇の処分方法
ここから仏壇の『処分方法』を紹介します。
仏壇を処分する方法
- お世話になっている寺院(菩提寺)で処分
- 仏具屋で処分
- 不用品回収業者に依頼
- 自治体に粗大ごみとして処分
- リサイクルショップで買い取ってもらう
- 遺品整理業者に依頼
仏壇を処分する前には『閉眼供養』といって、仏壇から魂を抜く必要があります。
仏壇を処分する前に『閉眼供養』は必須。やっていないと処分しない業者もいますよ!
処分の仕方によっては、自分で『閉眼供養』の依頼をしなくてはいけない方法もありますし、全てまとめてやってくれる場合もあります。
魂抜きをする
まずはじめに、仏壇には魂が込められているため『閉眼供養』といって、魂を抜く必要があります。これはどのように処分するとしても、基本的にやる項目になります。
- 仏壇を処分する人の『気持ちの整理』
- 業者が『処分をしない場合』があるため
- 閉眼供養をするには、お寺や寺院などに頼むことになります。
一番いいのは、お世話になっている寺院(菩提寺)に依頼する方法です。親身になって相談にのってくれますし、そのまま仏壇を引き取ってくれるケースもあります。
閉眼供養は、まずお世話になっているお寺に相談しよう!
【 閉眼供養の費用(お布施)】
閉眼供養にかかる費用は、お布施という形でざっくり3万円~10万円ほどが相場。(うちの場合、5万円払いました)
金額に悩むようでしたら、直接聞いて相談すればOK。またお布施とは別に、お車代として5000円~1万円ほど払うのが基本です。※お布施とは別の封筒に入れます。
もし身近に相談できる人がいなく閉眼供養に困る方は、お坊さん・僧侶さんを紹介してくれるサービスもあります。
初回35,000円と、かなり安い費用で依頼することができます。初回だけということですが、何度も依頼するものでもないので『1回だけ!』っていうのもアリですよ。
【 豆知識 】
閉眼供養は当日だと処分業者と時間調整などをする必要があるため、数日前に終わらせておくと便利。
閉眼供養を終えたら仏壇はただの『箱』になるので、処分しても大丈夫な状態になります。
お世話になっている寺院(菩提寺)で処分
【 費用相場:1万円~10万円 】※お布施という形、明確な決まりはない。
仏壇を処分することが決まったら、いちばん最初にお世話になっている寺院(菩提寺)に相談するようにしましょう。理由はそもそも、お寺・寺院のミニチュア版に小さくした家の中の『小さなお寺』なので、菩提寺と繋がっていると考えられているためです。
他の方法で処分した場合、菩提寺のお坊さんとトラブルになることも!
菩提寺があるということは檀家に入っているので、仏壇の処分だけでなく様々な相談ができます。
閉眼供養もやってくれるので、菩提寺がある場合は最初に相談するようにしてください。
しかし近年は地域によって、仏壇の処分(お焚き上げ)ができなくなってきています。処分に関しては、断られてしまうかもしれません。
【 檀家とは 】
『お寺に所属する家』といった意味。お布施などでお寺の運営を支えることで、優先的・手厚い供養を受けることができる家のこと。
仏具屋で処分
【 費用相場:1万円~8万円 】
仏具を専門に扱っているところなので、段取りが早くスムーズに処分してもらえます。『閉眼供養』もやってくれるところが多いです。
ただ次の仏壇を購入するならいいですが、処分だけとなると費用が高額になったり、そもそも処分NGとなる可能性もあります。
不用品回収業者に依頼
【 費用相場:業者により異なる 】
自分で運ぶことができない人・大きな仏壇、の場合は、不用品回収業者に依頼する方法もあります。家まで取りに来てくれるので、労力がもかかりません。
『人目につかないように処分できる』といったメリットも。ただこの方法は、閉眼供養の依頼は自分でおこなう必要があります!
業者を自分で探す必要がありますが、不用品回収業者の中には、人目のつかない場所へ不法投棄するような悪質な業者もいます。
不法投棄は犯罪であり依頼者の身元が分かると、警察の事情徴収を受けてあなたが法的な責任を問われることも。
『安いから!』『近いから!』などの理由で、簡単に業者を選ばないようにしてください。
【エコノバ】は優良な不用品回収業者を紹介しているサービスになります。業者で処分したいと考えている方は、参考にしてください。
\ 公式サイトを見てみる /
自治体に粗大ごみとして処分
【費用相場:500円~2,000円】
『粗大ごみ』として処分する方法です。この方法は費用がとてもやすく抑えられます。ただし『閉眼供養』の依頼は、自分でおこなう必要があります。
そしてごみの収集場所まで、自分で仏壇を運ぶ必要があります。小さなものであればいいですが、大きな仏壇だと運ぶのも大変になります。ただ、収集場所に仏壇を置くことで近所の目を気にされる方は、やめたほうがいいかもしれません
自分で運べる大きさなのか、確認しておくようにしよう!
自治体によっては、仏壇を回収していないところもあります。事前に確認するようにしてください。全国自治体マップ検索
自分で運ぶ手間はある。安く処分したいなら『粗大ごみ処分』の一択!
リサイクルショップで買い取ってもらう
【 費用相場:ショップにより異なる 】
特別な素材が使用されていたり、精巧な細工があって仏壇の価値が高いものであれば、買い取ってもらえる場合もあります。
ただ『他人の仏壇を買いたい』と思う人は非常に少ないので、需要はかなり低いと思われます。そのため上記のとおり、希少価値の高い物でなければ『買取り』は、かなり難しいかもです。
他の物と一緒に査定に出したら、ついでに無料で引き取ってくれる可能性も!
リサイクルショップに持っていく場合も、あらかじめ『閉眼供養』を自分で依頼しておく必要があります。
遺品整理業者に依頼
【 費用相場:基本料金に含まれる 】
遺品整理業者は遺品の取り扱いのプロなので、閉眼供養はもちろん仏壇の処分もやってくれます。
仏壇をはじめ、他の物も処分したいなら『遺品整理業者』はおすすめ!
閉眼供養はサービスに含まれている場合もありますし、遺品整理に関するすべてのお手伝いをしてくれます。遺品整理業者のサービス内容は 遺品整理のサービス内容を紹介。業者はあなたの味方になってくれる! で紹介しています。
- 自分達だけだと不安なら、遺品整理業者は心強い味方になってくれるはずですよ。
【注意点】跡継ぎのない仏壇を処分する
ここからは、仏壇を処分するときの注意ポイントをまとめました。仏壇は亡くなった方を供養する大切な物です。安易に処分すると、トラブルになることもあります。
下記の項目を、事前に確認するようにしてください。
仏壇処分の注意ポイント
- 家族や親戚に相談
- 引き出しを確認
- 宗教のルールに注意
家族・親戚に相談
まずは家族や親族に処分することを伝え、必ず同意を得るようにしましょう。これは、かなり重要ポイントになります。
仏壇やお墓は亡くなった方を象徴する大切な物です。先祖から受け継がれたものを独断で処分してしまうと、大きなトラブルになりかねません。
必ず親戚で話し合って決めるようにしてください!
引き出しを確認
仏壇には、小物が入る引き出しがついてることが多いです。パッと見ただけでは、引き出しだと分からない作りもあります。とくに古い仏壇だと『隠し引き出し』や『彫り物が引き戸』になっている可能性もあります。
- 数珠
- 写真
- お線香
- ろうそく
- 通帳
- 印鑑
- 現金
仏具に関するものだけでなく、貴重品をしまう場所としても使われたりします。普段からあまり触らないような仏壇を処分する場合は、引き出しの中もきちんと確認するようにしてください。
思わぬ物が入ってるかも!
宗教のルールに注意
宗教によって仏壇の考え方はさまざまであり、処分するにもルールがあったりします。
創価学会 | 例えば『創価学会』の場合、仏壇の閉眼供養はしなくてもいいです。そもそも『魂』という概念がないため。 少し特殊なため一般的な仏具屋では引き取ってもらえず、粗大ごみとして処分したり、同じ会員の方に譲渡したりして処分するケースも。 |
浄土真宗 | 『浄土真宗』の場合、仏壇の内部の考え方に特殊があります。『仏壇』は閉眼供養しますが、『位牌』は供養しません。 位牌には『魂』という概念がないため。位牌ではなく『過去帳』を重要と考えます。 |
【過去帳とは】
亡くなった人の名前と日付が記載されている帳面のこと。
とはいえ、ほとんどの方がよく分からないと思います。お世話になっている寺院(菩提寺)があれば、相談してみるのがいいかと思います。いない場合は、この道の『プロに相談する』というのも方法の1つです。
【まとめ】跡継ぎがいない仏壇の処分方法
今回は仏壇の処分を考えている方に、仏壇の歴史・処分方法・かわいい仏壇、を紹介しました。
- 仏壇を処分したいと思ったら、まずお世話になっている寺院(菩提寺)に連絡しましょう。
- 安く処分したいなら『自治体に粗大ごみ』
- 手間を省きたいなら『不用品回収業者 or 遺品整理業者』
寺院(菩提寺) | 仏具屋 | 不用品回収業者 | 自治体で粗大ごみ | リサイクルショップ | 遺品整理業者 | |
---|---|---|---|---|---|---|
閉眼供養 | できる | できる | できない | できない | できない | できる |
仏壇の処分 | できないかも | できないかも | できる | できる | できないかも | できる |
費用 | 1万円~10万円 | 1万円~8万円 | 業者により異なる | 500円~2,000円 | 店により異なる | 基本料金に含まれる |
この記事のまとめ
- 仏壇の歴史
- 仏壇の歴史はかなり古く、今から1300年ほど前にさかのぼる
- 日本の第40代天皇、天武天皇の一言がきっかけ
- 室町時代の浄土真宗の信徒を中心に、仏壇の文化が広がる
- 江戸時代に入ってから、一般庶民の間でも仏壇を設置する
- 仏壇の意味
- 亡くなった方と生きている人を結ぶ『架け橋』
- 家の中の『小さなお寺』
- 跡継ぎがいない仏壇は処分していい?
- きちんと供養すれば、仏壇は処分してOK!
- 仏壇を処分するには魂抜きしないとダメ?
- 推奨はされているが『義務』ではない。やらなくても処分はできる。
- 仏壇は跡継ぎのことも考慮しよう
- スペースをとらない・おしゃれでシンプルな仏壇もある
- 跡継ぎがいない仏壇の処分方法
- 魂抜きをする よりそうお坊さん便
- お世話になっている寺院(菩提寺)で処分
- 仏具屋で処分
- 不用品回収業者に依頼 エコノバ
- 自治体に粗大ごみとして処分 全国自治体マップ検索
- リサイクルショップで買い取ってもらう
- 遺品整理業者に依頼 遺品整理のサービス内容を紹介。業者はあなたの味方になってくれる!
- 【注意点】跡継ぎのない仏壇を処分する
- 家族や親戚に相談
- 引き出しを確認
- 宗教のルールに注意
仏壇は遺品の中で、いちばん処分するのに悩みそうですが、わりと簡単に処分できます。自分に合った方法で処分してくださいね。