生前整理を考え始めると『エンディングノート』という存在を、はじめて知る方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、エンディングノートは必ず作成しないといけない物ではありません。なくても問題はないのですが、作成しておくと遺された親族の負担を減らすことができます。
- 市販品でもあるのですが、気に入った物がない方は『手作りする』方法もあります。
この記事で分かること
- エンディングノートって何?
- エンディングノートに書く内容は?
- エンディングノートを作成する注意点
この記事では、このようなことを解説しています。エンディングノートの存在を知った方は、ぜひ読んでみてください。参考になることがきっとあると思います。
エンディングノートとは
エンディングノート…どんな物なんだろう?遺言書とは違うのかな?
エンディングノートとは、自分の人生や思い出をまとめたノートのこと
遺言書と似ているようですが『法的な効力を持たない』部分が、大きく異なる点になります。
具体的には、家族や友人へのメッセージや遺言、遺したい思い出や経験、大切な人への感謝の気持ちなどを記録する物。
これにより亡くなった後に遺された人が、故人の意思や人生について理解する手助けとなることもあります。自分が思うことを好きに自由に書けばいいので、ルールも書式も決まりは一切ありません。
『エンディング』と聞くと人生の終わりを連想するかもしれませんが、書くタイミングはいつでも大丈夫です。
- なんなら30代、40代から書き始める方もいます。
一度にまとめて書く物ではなく、定期的に書き足すくらいでいいので『日記』の方が、イメージ的には近いかもしれません。
- 命日
- 誕生日
- 年末年始
このように、書くタイミングを決める方もいるようです。
とはいえ、『お金や相続』に関することを書いたとしても、自分の希望どおりにならない可能性もあります。理由は上記でも説明したとおり、エンディングノートは法的な効力を持つものではないからです。
相続の手続きなど『お願い』することはできても『強制』する力はエンディングノートにはない。
相続に関することはエンディングノートでなく、遺言書 に書くようにしましょう。
エンディングノートは手作りor市販品どちらでもOK
上記でも解説したように、エンディングノートの書き方にルールはありません。きちんとしたノートでなくて、なんならチラシの裏面でも問題ありません。
必ずしも手書きである必要もなく、パソコン作成でも大丈夫です。
なので手作りor 市販品、どちらでもOKということになります。
エンディングノートは遺言書とは違い法的に効力を持つわけでないので、そんなに肩の力を入れて書く必要はないということです。
- 選ぶポイントは自分が何をいちばん『伝えたいか・残したいか』
ここを重視して選ぶといいです。
エンディングノートを選ぶポイント
- 人生を振り返り、自分の歴史を残したい
- 自分史や履歴が書ける物を選ぶ
- 万が一の場合の備えとして
- 相続・葬儀・教育などが書けるものを選ぶ
- 忘れないよう備忘録として残したい
- 銀行口座・貯金・保険などが書けるものを選ぶ
好きに書けるエンディングノートですが、逆に『自由すぎて難しい』という方には、市販品を選ぶのも一つの方法です。
どんな物があるのか調べてみました。
【無料の作り方】エンディングノートを手作りする
エンディングノートを書く目的は、個人情報・遺言・財務などをまとめ、家族に情報を伝えるため。逆に遺族はエンディングノートがあることで、亡くなった方の気持ちを理解することができます。
そのためエンディングノートには、さまざまな自分の『情報・意思』を書き記すことになります。ここからはエンディングノートを手作りしたい方へ、どんな項目を書いたらいいのかを紹介します。
一般的によくみなさんが書かれるのは、下記のような内容です。
- 個人情報
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- マイナンバー
- 運転免許証番号
- 自分の歴史
- 家族の情報
- 配偶者
- 子供
- 孫
- 重要な連絡先
- 弁護士
- 医師
- 税理士
- 友人・知人
- ペット
- 名前
- 種類
- 世話・餌の指示
- 動物病院の情報
- 銀行
- 銀行名
- 口座番号
- 財産・資産の情報
- 不動産
- 株式
- 預金口座
- 保険
- 借金
- 未完了の事務手続き
- 未払いの請求書
- 未解決の契約
- 申請中の手続き
- 財務情報
- 収入源
- 負債
- 投資
- 退職金
- 重要な文書の場所
- 戸籍謄本
- 結婚証明書
- 離婚証明書
- 遺言書
- 作成場所
- 保管場所
- パスワード・アカウント情報
- オンラインアカウント
- メールアカウント
- SNSアカウント
- デジタル遺産
- ウェブサイト
- オンラインアカウント
- SNSの情報
- 葬儀
- 希望する 葬儀の形式
- 埋葬場所
- 遺灰の処理方法
- 医療情報
- アレルギー
- 既往症
- 薬の情報
- メモリアルアイテムの指示
- 写真
- 思い出の品
- 教育・メッセージ
- 子供や孫へのメッセージ
- 教育に関する希望や思い。
- 健康管理
- 医療プロキシや医療の希望
- 終末期のケアに関する指示
項目ごとに分けて『パソコンor手書き』どちらでも自分が得意な方法で作成すればいいですよ。
書き方にルールはありません、自分が好きなように書けば大丈夫です!
エンディングノートを手作りする注意点
エンディングノートを作成する際に、注意したほうがいい点があるので紹介します。
まず大前提として、エンディングノートを作成する方は『無くなる・処分される』ということをあまり考えていない場合が多いです。
- つまり、バックアップを考えていないということです。
重要なことを残したい・伝えたい場合には、このことを考えておくといいですよ。エンディングノートを作成する注意点は、大きく分けると下記の2つになります。
エンディングノートの注意点
- 保管方法を考える
- バックアップの作成
それぞれ解説していきます。
保管方法を考える
エンディングノートは長期間保存することを想定して作成されます。厄介なのが、悪用されるのを防ぐため簡単に見つからず、さらに亡くなった後には見つけてもらう必要があるということです。
- 悪用厳禁!簡単に見つかるのを防ぐ必要がある
- 亡くなった後に必ず見つけてもらう必要がある
- このため保管方法はよく考える必要があります。
このような難題をクリアにするため、下記のようなことも考えておくといいですよ。
- 銀行口座・クレジットカードの情報で『暗証番号』までは記載しない
- エンディングノートの存在を家族に伝えておく
エンディングノートの保管場所というのは、ほとんどが自宅になるケースが多いです。『暗証番号』など見られるとマズいことを記載しなければ、保管場所はそこまで悩む必要はありません。
エンディングノートの保管場所
- 仏壇
- 金庫
- 机の引き出し
- 本棚・食器棚
適度に見直すことも多いエンディングノートですが、保管場所はきちんと決めて『出しっぱなしは避ける』ことも大事ですよ。
バックアップの作成
エンディングノートは定期的なバックアップを作成することがおすすめ。理由は一度失われると、内容が濃いほど再作成することが難しいからです。
デジタル形式でスキャンしたり、写真を撮ったりすることで、ノートの内容を保護できます。
- ラミネート加工
- 透明なシートで覆う
などで、ページを保護する方法もあります。
これにより傷やシミから守ることができます。またページを穴あけパンチでパンチングし、リングファイルやバインダーのように作成する方法もあります。