
遺言書は知ってるけど、…エンディングノート…?
聞いたことないけど、何か書くの?遺言書と何が違うの?
生前整理や終活をしたことがなければ、遺言書のことなんて考えたこともないかもしれません。またエンディングノートなんて、聞いたこともないかもしれないですね。
この記事では、遺言書やエンディングノートの特徴や違いを、知らない方向けに分かりやすく解説しています。
この記事で分かること
- 遺言書とエンディングノートの違い
- 遺言書・エンディングノートの特徴
- 遺言書とエンディングノートどっちがいい?
生前整理を考えている方にとっては、とても参考になるかと思います。
遺言書とエンディングノートの違い


遺言書とエンディングノートの違いは、法的な拘束が『ある』のか『ない』のか、これがいちばんの違いになります。
遺言書とエンディングノートの違い
- 遺言書:法的な効力がある
- エンディングノート:法的が効力がない
遺言書には法的な効力があるため、書いた内容は亡くなった後に実行されることが期待できます。
- しかし法定要件を満たさないと、遺言書そのものが無効になる可能性もあります。
エンディングノートは法律の規制を受けないため書式の自由度が高く、内容も好きに書くことができます。ただしエンディングノートに書いた内容は、実行されない場合もあります。
遺言書 | 財産や資産の相続や処分について、自分の意志を伝えるための法的な文書 |
エンディングノート | 自分の来歴や葬儀の方法、親族に知っておいてもらいたい情報を伝える文書 |
このように理解しておけば大丈夫です。
【遺言書の特徴】遺言書とエンディングノートの違いを知ろう





遺言書のことなんて全然知らないし、どんな特徴があるんだろう?
ではここからは、遺言書の特徴について解説していきます。
上記でも解説しましたが、遺言書は財産を誰にどう残したいかを伝える手段であり、相続人を指定したり財産を寄付したりできます
- 『法的な効力がある』という点がいちばんの特徴になります。
作成する目的は『相続人』や『財産』などお金に関する問題を、遺された親族がスムーズに解決するためになります。
遺言書には種類がありそれぞれの特徴があるので、簡単に紹介しておきます。
自筆証書遺言 | 本人が自筆で作成し、日付と署名をすることが必要。 特別な手続きが不要で費用がかからず簡単に作成できる反面、正しく作成していないと無効になる可能性。 |
公正証書遺言 | 公証人による作成で法的な効力が強いため、争いが起きにくい。 しかし費用がかかり、公証人の立会いが必要。 |
秘密証書遺言 | 本人が作成し封筒に入れ、公証人に提出する形式。 内容が他人に知られずに済むというメリットがあるが、開封の手続きが必要 |
また遺言書には、下記のような注意点もあります。
遺言書の注意点
- 複数あるとき古いものは無効
- 親族は生前に内容を確認できない
- 勝手に開封すると罰金になるケースも
- 故意に隠す・破棄すると相続資格を失うことも
自分の財産をちゃんと分配したいのであれば、きちんと形式に沿って作成しないと『遺言書としての効力』を失うことになります。
作成を他に依頼したい場合、弁護士・司法書士・行政書士・税理士といった専門家に頼む方法もあります。
【エンディングノートとは】遺言書とエンディングノートの違いを知ろう





エンディングノートって、そんな物があるのか…知らなかった…
エンディングノートとは簡単に説明すると、もしものことが起きたときに家族が困らないように伝えておく『自分をまとめた本』みたいなものです。
亡くなったあとに親族に迷惑をかけないよう、必要な手続き・治療方針・延命治療であったり葬儀・お墓など、自分が希望する形を書くことになります。
エンディングノートの最大の特徴は、好きなように何を書いてもいいという点
書き方に形式・決まりがあるわけでないので、何を書いてもOK。しかしその反面、法的な効力を持つ力がないので『親族へのお願いごと』くらいの認識であれば大丈夫です。
エンディングノートの特徴
- 法的な効力はない
- 内容・書き方決まりはない
- 生存中でも親族は内容を確認できる
- 相続などお金に関することは遺言書がおすすめ
きちんとしたノートでなくても伝わればいいので極端な話、広告の裏面でもいいです。とはいえ手に入れる方法もたくさんあるので、紹介しておきます。
- 企業・自治体で無料配布
- 書店・ネット通販・100円ショップ
- インターネットで無料ダウンロード
自分の想いや亡くなった後の希望などを、親族に書き残しておくことが作成する目的です。エンディングノートの内容や書き方に決まりはないですが、法的な効力もありません。
遺言書とは違い法的な拘束力がないため、相続などの強い希望がある場合は、遺言書の作成も並行して行うことが推奨されています。
遺言書とエンディングノートどっちがいいの?





遺言書とエンディングノート、書くならどっちがいいんだろう…
遺言書は法的な効力を持ち、財産の相続・遺産分割などの死後の手続きを規定するもの。
そしてエンディングノートは葬儀・墓地の希望、家族への感謝の言葉など遺言書に書けない情報を記載するためのもの。
- それぞれ異なる目的で使用されるので、あなたがどちらを希望するかで変わってきます。
遺言書 や エンディングノート の、メリット・デメリットを紹介します。あなたの場合、どっちが合うのか参考にしてください。
- 遺言書のメリット
- 相続の争いが減る
- 子どもを認知することができる
- 生前に遺産の分け方を決められる
- 遺産を法人・慈善団体に寄付できる
- 財産を相続人以外にも渡すことができる
- 『自筆証書遺言』は気軽に作成できて費用はかからない
- 『公正証書遺言』は信頼性が高く紛失・改ざんの可能性がない
- 遺言書のデメリット
- 費用がかかる
- 無効になる恐れ
- 不当な内容の争い
- 作成に手間がかかる
- 書き換え・隠されるリスク
- 紛失・見つけられないリスク


- エンディングノートのメリット
- 何度も加筆・修正
- 自分の意思・希望を残せる
- 遺族の間でのトラブル回避
- 自身を客観的に見つめられる
- エンディングノートのデメリット
- 法的な拘束力がない
- 途中で書くのをやめる可能性
- 希望や意思が実現されない可能性
- 必要な情報を書くのに時間がかかる


また遺言書やエンディングノートを、両方作成することもできます。組み合わせて使用することで、それぞれの長所を生かすこともできます。
【おまけ】遺言書と遺書の違い


- 同じようなもので『遺書』がありますが、実際には遺言書とは異なるものになります。
上記でも解説したとおり『遺言書』は、法的な効力を持つ文書になりますが『遺書』には効力がありません。
遺書は家族や友人などに、想いやメッセージを書き残した文書になります。生前に言いたかったことを伝える『手紙』といった感じです。
…となると『エンディングノート』と『遺書』が同じに思えますが、実はこれも少し異なってきます。
遺書 | 自分の想いを記載したもの |
遺言書 | 財産の相続・遺産分割について記載したもの |
エンディングノート | 自分の最期について記載したもの |
それぞれ特徴があるので、目的に応じて使い分けるといいかと思います。